グルテンフリー(その12)
*腸の炎症を引き起こすグルテン
なぜグルテンが腸の粘膜を荒らすのでしょうか。それは、グルテンのアミノ酸の配列に関係しています。グルテンを作るのは、先述したグリアジンやグルテニン以外にもセカリン、ホルデインなどがあります。これらはすべてペプチドの一種です。
通常、たんぱく質はペプチドという鎖のようにつながった分子に分解され、消化酵素によって消化され、アミノ酸となって小腸で吸収されます。ところがグリアジンやグルテニン、セカリン、ホルデインといったペプチドは抵抗性が強く、分解されにくい構造をしているため、消化されないまま、小腸に到達し、その場に残ってしまいます。
健康な腸であれば、腸の粘膜が丈夫だから、これらのペプチドが有害になる事はありません。ただ、もともとの腸の粘膜が弱かったり、腸内環境が悪かったりした場合、これらのペプチドが腸の粘膜に入り込んで炎症を引き起こし、悪さをするのです。
小腸の粘膜上皮は、絨毯の毛のようになっていて、そのため表面積がとても大きくなっている事は前述した通りです。ところが腸に炎症が起きると、細かい毛のような部分が扁平になってしまいます。扁平になれば表面積が減ってしまうのは想像できるはずです。そうなれば、栄養を吸収すべき面積も減ることになり起こってくるのは栄養障害です。
また、腸が炎症を起こし、腸の粘膜の目が粗くなってしまう事で起こるのがリッキーガット症候群です。リッキーガット症候群は、腸管壁の細胞の間に穴が開いたようになっている状態です。リッキーガット症候群とはあくまでも現象をしめすのであって病気ではありません。ところがその腸の透過性を増してしまう現象がいろいろな体調不良を引き起こすのです。
リッキーガットになれば食物が大きな分子のまま吸収されることになり、食物アレルギーの原因になるだけでなく、腸が担う解毒作用にも弊害が起こり、結果として化学物質などの有害物質が体内に侵入しやすくなり、これらの「過敏症」が発症しやすくなるのです。リッキーガット症候群かどうかを調べる検査は、6時間の蓄尿、8時間の完全絶食の必要があるなど、手間も費用もかかるため、実際行っている人は少ないでしょう。ただ、遅い発型のIgGアレルギーの抗体が多く出ている人は、リッキーガット症候群の可能性が高いことは、そろそろ医師の中でコンセンサスが取れてもいいのではないかと思います。
ちなみに体臭で悩んでいる人の中に、リッキーガットが原因の事があります。原因は明らかになってはいないのですが、おそらく、食べ物が大きな分子のまま吸収されるため、それらが臭いの原因になっているのでは、という説もあります。腸の状態が体臭にまで影響を与えいる可能性があるのです。
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