(グルテンフリー その23)
そして、もう一つ、フルテンについてです。
フルテンはフルクトースという果糖の重合体で、水溶性の食物繊維のことです。フルクタンは過敏性腸症候群症状、すなわち下痢や腹痛を引き起こす原因になる事が知られています。どんな悪者なのかと思われるかもしれませんが、ラッキョウやゴボウ、菊イモにも多く含まれていて、特にラッキョウに含まれているフルクタンはいろいろなサプリメントにつかわれることもあります。本来はそれほど悪さをしない物質なのです。
基本的には食物繊維なので、善玉菌であるビフィズス菌を増やします。いったいどこが悪いのだ?という声が聞こえてきそうですが、フルクタンは、ビフィズス菌を増やす一方で、クレブシャラ菌や大腸菌といった菌を増やしてしまうのです。特にクレブシエラ菌は、口腔や腸管の常在菌ではありますが、、時に呼吸器感染症や尿路感染症を引き起こすやっかいな菌なのです。
フルクタンをはじめ、過敏性腸症候群症状などの治療で今注目されているのが、FODMAPs(フォドマップ)という食事方法の概念です。聞きなれない言葉かもしれませんが、FODMAPsとは、発酵性オリゴ糖、単糖類、二糖類、ポリオールの事を指します。これらはすべて、発酵性で低吸収性の短鎖炭水化物です。どんなものに含まれているかというと、フルタンガラクトース、フルクトース、ポリオールといった物質や、具体的な材料でいえば、ハチミツ、スイカ、チェリー、マンゴー、洋ナシ、チコリ、フェンネル、ビート根、ネギなどに多いと言われています。FODMPsを摂取することで、下痢や便秘、膨満感などの消化器症状を起こすといわれています。だから、過敏性腸症候群の食事療法として、FODMPs食事法が注目されているのです。FODMAP食事法とはその摂取をなるべく少なくする食事法であり、これらの摂取を減らすことで、胃腸症状が軽減するというのです。話はここで終わりではありません。FODMAPs食事法で胃腸症状が軽減した患者がグルテンを含むものを食べると、症状が悪化することが分かっています。つまり、FODMAsを摂取することで起こる症状と、グルテンを摂取することで起こる症状は非常に似ているという事なのです。
と、なると今まで「小麦が悪いのはグルテンに原因がある」とされ、グルテン耐性に注目されてきましたが、ここで説明してきたような小麦全体に含まれているアミラーゼトリプシン阻害物質やフルクタンを含めた小麦全体にかかわる物質が悪者なのではないかというところに概念がシフトしつつあるのです。そう考えると今後、「グルテン関連疾患」というより、「小麦関連疾患」という名称に変わっていく可能性は高いのではないでしょうか。
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