• 院長ブログ/治療

グルテンフリー(その16)

さらに、1950年にオランダの小児科医であるW・K・ディッケは小麦が利用できなくなった第二次世界大戦中にセリアック病の子供の症状が改善したという事を記載していました。また、統合失調症の入院患者が激減していることもわかっています。ストレスの度合いが高いはずの戦争中にも関わらず、です。最近では一部の精神科の先生の間で、統合失調症の患者さんにもグルテンフリーの食事指導も行われるようになってきました。

なお、グルテンの感受性が高い場合、子供では、腸管以外の症状を訴えることは少ないのです。多くは、腹痛、慢性の下痢など典型的な消火器症状を訴える事が多のです。ところが大人では、腸管以外の症状を訴える事が多くなり、その代表的な症状が疲労感です。健康診断などで何の問題もないと言われている方でも、お腹が弱い、下痢や便秘が見られる、または疲れやすいという症状があれば、一度グルテンフリーを実践してみるとよいです。それで症状が改善すればグルテンの感受性が高いという事であり、今後の食生活を考えていくうえで参考になると思います。

ところで、グルテンで怖いのは、麻薬のような中毒性がある事です。グルテンフリーの話をしても、「パンやパスタがどうしてもやめられない」という人が少なからずいます。それは、その人の意志が弱いからではなく、グルテンのアミノ酸の配列のせいなのです。

グルテン由来のグリアジンのアミノ酸の配列をそれぞれ見てみると「トリプトファン」「フェニルアラニン」などの間に「プロリン」というアミノ酸がならんでいます。実はその配列がモルヒネにそっくりなのです。

たんぱく質は、一つひとつのアミノ酸がくっついてペプチドになり、それが数珠のようにつながってたんぱく質になるという構造をしています。私たちの人間の体は、アミノ酸の配列で物質を認識しています。

小麦のアミノ酸配列は、モルヒネに似ているため「同じものが来たな」と認識してしまいます。しかも、その成分は、脳の間所といわれている血管脳関門を通過してしまい、レセプター(受容体)にくっついてしまうのです。

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