• 院長ブログ/治療

グルテンフリー(その10)

「腸の炎症とは、腸粘膜の網目が荒くなる事」

アレルギーと極めて密接に関わってくるのが腸の状態です。腸は私たちが食べたものを分解し、消化吸収する役割を担っているのよく知られたところです。私たちが食べたものが消化吸収をされる機能を担っているのは、口から肛門に至るまでの消化管です。その中心を担っているのが、小腸の粘膜にある粘膜上皮です。そもそも、食べ物は咬むことで口腔内で細かくされ、食道から胃に送られます。胃では胃酸と消化酵素によって、さらに細かい状態にされます。胃の内容物は一定量、小腸に送られます。通常、小腸で消化酵素と混ぜ合わされてもとの性質が残っていない小さな分子にされます。ここまできて、ようやく、小腸の粘膜上皮から吸収されます。消化とはつまり、大きな分子を小さな分子にすることなのです。小さな分子とは、たんぱく質が分解されてアミノ酸の状態にまで分解されるという事です。アミノ酸に分解されてしまえば、その食材がもともと持っていた特性が無くなり、アレルギーの原因とはなりません。

ところが分解がある段階までしか行われず、分子が大きなままで食材の特性が残ってしまうと、それが抗原となってアレルギー反応を起こしてしまうのです。つまり、アレルギー反応を起こすかどうかは、どこまで細かく分解されているかにかかっているのです。

小腸は、小腸絨毛といって文字通り絨毯の毛のようなもので出来ています。その分、表面積が大きくなっていて、その面積はテニスコート一面分とも言われています。それだけいろいろな栄養素を吸収できるようになっているのです。この大きな小腸の粘膜の機能が低下すればどうなるでしょう。

本来、腸の粘膜は細かい網の目のようになっています。「ざる」を思い浮かべてみると分かりますが、健康な腸粘膜は目の細かいざると同じで、小さなな分子、つまりアミノ酸まで分解されたものを通します。ところが、粘膜の機能が低下すると、網の目が粗くなってしまいます。目の粗いざると同じで十分に分解されていない大きな分子のものも通してしまうのです。それが抗原となって免疫が過剰に反応し、アレルギーを発症するのです。

最近急増している「リッキーガット症候群」は、腸粘膜の疾患です。

リッキーガット症候群とは、まさにこの腸粘膜の目が粗くなった状態です。当然、たんぱく質も大きな分子のまま侵入してしまうから、それが抗原となってアレルギー反応を起こしやすくなります。

また、起こるのはアレルギー反応だけではありません。うつやイライラなどの精神症状まで引き起こすことがあります。また、ADHDはどの多動性や、自閉症といった子供の発達障害についても、リッキーガット症候群とのかかわりが指摘されているのです。

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